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Mr.サンデー「リアルストーリー」に出演して

Mr.サンデー「リアルストーリー」に出演して

逆転ストーリーとして紹介されたTV出演の舞台裏を振り返ってみました。

YouTubeを見ていたら、たまたま自分が紹介された動画が35万回(2025年6月時点)も再生されているのを知り、かなり驚きつつ当時を思い出してしまいました。

2023年7月にMr.サンデー「リアルストーリー」として逆転物語的なテイストで、16分ほど紹介していただきました。

その時の動画がまるまるFNNプライムオンラインのコンテンツとしてYouTubeに上がっていたのでした。

はじめに

それは放送の10日前の夜。

名古屋ファミリービジネス研究会にゲストとして登壇するため、私と息子、そして娘婿の三人が、打ち合わせを終えて主催者やファシリテーターである、弊社の顧問税理士事務所のグロースリンクの代表と会食している時に専務(息子)の電話が鳴ったことから始まりました。

年間に数本はテレビの取材を受け、その他様々なメディアを含めると二桁は露出することが当たり前な弊社ですので、テレビ取材の話が来てもそんなに驚きはしませんでした。

専務からは、『Mr.サンデー』から取材依頼が来たという第一報だけ聞いて、「全国放送なんだね」と軽く返事をしました。というのも以前は弊社広報担当者が『激レアさんを連れてきた』や『情報7Daysニュースキャスター』などにも出演しているためです。

息子たちが会社に入る前は、広報関係も全て私がやっていたため出演するのも自分でしたが、若いスタッフが揃ってからは表舞台に出ることはなく息子か広報担当者が出ることが当たり前になっていたので、ある意味他人事でした。

勇気を与える「逆転のストーリー」として

会食の合間合間で、専務が何度も電話でやりとりをしていました。私はそんなの全く関係がなく、賑やかにディナーをいただいていたのですが、専務から「ちょっといい?」と声をかけられたので、席を外しました。

「どうした?何か問題があったの?」と尋ねると

今回は逆転ストーリーということなので、まいあめを立ち上げるところの話を深掘りしたい。ついては社長の話を中心に構成したい。という趣旨のことを言われました。

市場が急速に縮小していく中で、会社存続のために何をどうするのかということをゼロベースで考える必要があった私は、それこそ自分にはこの道しかないという思いでビジネスモデルを作り上げるしかなかったわけです。

そのビジネスモデルを作り上げる過程が、第三者視点では「逆転ストーリー」として捉えられるのかという驚きがありました。

役に立てるのなら

スタジオ収録ではなく、弊社にいらしていただきインタビューをすること、再現ドラマで構成していくというお話を聞き、それならばホームグラウンドだし、緊張することもないだろうということで、広報からの説得もありお引き受けすることにしました。おこがましいですが、どこかの誰かのために、少しは役に立てばいいかな、という気持ちがそこにはありました。

過ぎ去ってしまえば全てが良い思い出に思えてくるものですが、当時の自分に改めて向き合うのは、かなり苦しいものがあります。

嫌な自分、ダメな自分、情けない自分、そんなものが全て折り混じったどうしようもない自分の当時の感情まで蘇ってくるからです。

そんな思いも含めてもし誰かの役に立つなら、社長としての弊社の広報活動の最後の仕事なのかもしれないなと考えました。

タイトでハードなスケジュール

現場や職人さんの許諾を得たところで金曜日の午後、ディレクターの方に弊社広報担当者からお引き受けすますとご連絡させていただきました。

てっきり、17日後の日曜日放送予定分だと勝手に思っていた私に、

「10日後の放送予定です。社長来週の水曜日はまるまる空けておいてください」と広報担当者から念押しされました。

マジですか?

水曜日の取材で、日曜日の放送!それも再現ドラマメイン?

なんというタイトなスケジュールでしょう(笑)

本当にこのスケジュールでちゃんとしたものが放送できるのかな?

そんなことを思って焦るのも束の間、広報担当者にはディレクターから、質問電話がバンバンかかり、広報が答えられない内容は私が答えるという電話の応酬が週末を挟んで取材日直前の火曜日まで続きました。

取材日当日の水曜日はご挨拶も簡単に済ませ、当日のスケジュールのブリーフィングなどなど、初めからフルスロットルでした。

改めて、4日後のオンエアなのだということを認識するのと同時に、タイトでハードなスケジュールに否応なく巻き込まれていく自分がいました。

旧事務所の社長室でインタビューを受ける

インタビューを受けて

何よりも時間をとり大変だったのはインタビューでした。

収録のためのインタビューはある程度の時間にまとまるように簡潔に話す必要がありました。これに対しては今までの経験もあり、一発OKが多かったです。

それに対して、再現ドラマを撮影するための台本作製に必要な情報を集めるためのインタビューが、細かい上に、長い長い。

私1人でも3時間ほど、専務と職人さんが各1.5時間ほどかかりました。専務は1人でOKですが、職人さんが安心してインタビューを受けられるようにとのことで、私が付き添うことになりました。おかげでかなり当時のことをお答えすることができたかと思います。

本当にいろんなことがあった...

組み飴職人 浅野さんのインタビュー

収録後

午前9時30分から始まった取材が終わったのは10時間後の19時30分。

スタッフの皆さんは帰路につきました。

が、新幹線の中でも仕事が始まっているようで、弊社広報への電話での質問が何度も入ります。

続く、木曜日や金曜日も当然です。この辺りは私も電話で答えるようになっていました。

本当に放送できるのかな?などと心配になる程です。

弊社への質問ばかりではなく、弊社の得意先でもあるさまざまな企業に社名やロゴの放送許諾などを取る必要もある上、エピソードとして小学校に収録に行く必要もあったのです。

土曜日などはついに再現ドラマの撮影現場からの「こういう表現にしたいが問題ないですか?」「この時のお気持ちはどのようなものでしたか?」とかいう電話もありました。

土曜日の再現ドラマの収録が終わったのかはわかりませんが、番組が始まるまでには編集を終えなければならないわけですから、私なら胃が痛くなります。

無事放送されて

流石にプロの仕事、とでも言いましょうか、予定通り放送されました。

全国放送で約16分ほどでしたが、今まででいちばん長い放送時間だったと思います。

番組終了後にはディレクターから「どうでしたか?問題なかったですか?」とお電話もいただき、「とてもうまくまとめていただき、本当にありがとうございます」とお礼を述べたところ、ディレクターさんから「放送後、スタジオ内のみんなが口々に本当にすごくいい逆転のリアルストーリーでしたね。と感心していましたよ。」と言っていただきホッとしました。

当然弊社のホームページにはアクセスが集中し、無事サーバーが落ちる(笑)ことになるわけですが、こればっかりはどうしようもないことですので諦めました。

翌日には問い合わせが殺到し、業務スタッフはパニック状態となりその後ずーっと忙しい状態が続いています。

放送終了の数ヶ月後にYouTubeにもアップロードされ、冒頭にも触れましたが、再生回数が35万回と多くの方に見ていただきありがたい限りです。 余談ですが、私宛に講演の依頼も数件ありこんな私の話で良ければと全て受けさせていただきました。

振り返ってみて

中村氏

あれから2年が経過して、YouTubeを見て改めて思うことがあります。

あの時は正直な話、断るつもりでいました。すでに世代交代の時期に入っており、次にやる事業についても着実に準備を進め、未来に向けて勇気を持ってチャレンジする若い世代の後押しをするのが、これからの私の仕事と考えていたからです。

過去の成功体験をシニアが語るのことがなんだか恥ずかしい気がしていました。

あの時たくさんお話を聞いていただきました。そのエッセンスが16分だったわけです。

エッセンスは確かに、今回の取材と放送という形でコンテンツとしては残ったけれど、もっと多くのことがあり、もっと考えたことがあり、試したこともあったし、失敗したこともあった。そんなことを全てコンテンツ化していくことで、いつか誰かの役に立ったりするかもしれない。そして、いずれ第一線を退く自分のビジネスマンとしての墓標のようなものになるのじゃないか。そんなふうに思えました。

時々ではあるけれどお気楽な話題とは別に、それらを体系だってコンテンツ化していこうと考えた次第です。